今日は天皇誕生日の祝日でしたので、皇居近くの東京国立近代美術館で開催している「中平卓馬 火―氾濫」展に行ってきました。今日は3連休の初日でしたが、あいにくの雨模様で、真冬並の寒さだったせいか、だいぶ空いていました。中平卓馬は海外で人気があるのでしょうか、半数は外国人でした。国籍は欧米系の方が多く、老若男女、様々でした。
僕は写真は詳しくないのですが、中平卓馬というと1960~70年代の写真家で、寺山修司の著作の挿絵の写真のイメージくらいしかありませんでした。なので、真剣に見るのは初めてです。企画展としては、25年ぶりだったかな。美術館で写真家の企画展って珍しいですよね。
中平卓馬の写真は非常に分かりやすかったです。分かりやすいというのは、この写真をなぜ撮ったのかが分かりやすいことです。年代によるのでしょうけど、道路を意識して撮っている写真が多く、構図としては、例えば、下に道路を写して、その右側に人を写したりしている。プラスもう一つ道路の染みなどを加えている。この人と道路の染みをとったんだな、と分かるのだ。
私も帰り道に真似して、iPhoneで撮ってみました。手すりと点字ブロック、通りすがりの女性の足と3点セットで撮っているのが分かりますよね。中平卓馬の写真もこのような分かりやすさを感じました。60~70年代の中平卓馬の写真は道の写真が多いのですが、時代が時代なので、点字ブロックの写真はなかったです。点字ブロックはどのように撮っていたのでしょうか。
他にも構図にはパターンがあるようだったが、マンホール、道路の車が通ってタイヤの跡で一直線で濡れている路面などがあるが、それは構図の真ん中に置いてある。
動物としては、道ばたを歩いている犬を扱っていることが多く、犬もど真ん中に置いてある。中でもこの写真は犬がカメラ目線だし、完璧な犬の写真だった。猫の写真は見かけなかったですが、60~70年代の古いアニメにも、道ばたに犬が描かれていることが多いので、野良犬は普通に見かけたのかもしれませんね。
写真:「もうひとつの国(31):都市Ⅲ」1972年 個人蔵 ♯中平卓馬 火ー氾濫