評価☆☆☆
ミステリだろうと思っていましたが、何の予備知識もなく映画館に行って観てきました。映画館で知りましたが、1992年の東野圭吾原作の映画化だそうです。
映画館で映画を観るということは、普通、チケット代2000円+飲み物500円+本編2時間+行き帰りの交通費400円+移動時間などで1時間程度のコストがかかるので、時給2000円のサラリーマンで換算すると、9000円くらいのコストがかかることになる。このため、ある程度、口コミなどでコストに見合うかどうかの担保をかけておきたい気分になるのは当然のことだろうと思う。また、その裏返しとして、最近、+2000円のプレミアムボックスシートから真っ先に売り切れるという現象があります。時給2000円で9000円くらいのコスト感ですが、時給3000円、4000円の人になれば、満席近く席が埋まる話題作や人気作でしたら、+2000円のプレミアムボックスシートは高くはないと思われます。
僕の場合はクレジットカードの優待があるのと、映画館が徒歩圏内にあることと、スマホの電源を切って、仕事や色々な情報を遮断して、2時間映画の世界に逃避して精神を保っているという精神衛生上の要請から、映画館に通っております。
とは言え、盲目的に選んでいるわけではなく、ある程度、ふるいをかけてはいます。まず、邦画なのですが、昨年の23年に邦画のレベルが高かったということ、また、ミステリは毎年たくさんのミステリ小説が出版されており、その中から選りすぐって映画化するので、面白いことが多いです。ものすごい傑作はないけど、駄作もなく、2時間楽しめる、というのが最近のミステリ小説の映画化の相場だと思っています。この映画もその期待に漏れず、面白い映画でした。
『ある閉ざされた雪の山荘で』は7人の若い役者が、大雪で閉ざされた山荘と仮定された海辺の豪華な一軒家に数日間のオーディションを兼ねた共同生活をします。大学生の合宿といった雰囲気で、途中までは誰が主人公なのか分からず、事件が起きるのですが、どこまで本気なのか、オーディションの仕掛けなのか、全く分かりません。最後に種明かしがあるのですが、そういうことだったのか、と納得させるミステリの醍醐味を味わえます。結末を想像できた人はなかなかいないんじゃないかと思います。
ただ、ミステリ作品としては、動機が少し弱かった気がします。僕としては、あまり説得力を感じませんでした。しっかり話し合えば、分かり合えたのではなかったのかと思いました。また、本当の雪の山荘でやった方が雰囲気が良かったんじゃないかと思います。ただ、先ほど述べたとおり、ミステリの邦画は今後も楽しみです。