【映画批評】『猿の惑星/キングダム』猿は言葉を覚えても、300年では大した進化はしないのかもしれない。

評価:☆☆

 猿の惑星というと、古くは1968年の傑作SF映画ですが、今回の作品は2000年代の新シリーズの3部作の続編の位置付けのようです。僕は旧シリーズは小学生の頃に観た記憶があり、新シリーズは最初の作品は観たものの、あまり記憶に残っておりません。その記憶と予告動画や公開されている情報を元に、本作品のあらすじを説明しますと、本作品は新シリーズから300年後の世界を描いています。

 新シリーズでは、人間が開発したウイルスで猿が言葉を覚えて、人間の支配から人間との共生を築いていくというストーリーでしたが、本作はウイルスによって人間の9割が死滅して、退化してしまい、言語能力を失い、野生化しております。ウイルスによって(そのワクチンだったかもしれませんが)、猿たちは言語能力を持ち、地球上に支配的な地位を築いているのですが、人間との住み分けをする掟があり、基本的に人間と接触を禁忌する生活を送っております。古い天文台などがあり、どうも人間は昔は大空を飛んだり、遠くの場所と交信をするなど、高い文明を築いていたとの都市伝説のような口承が伝わっている状況です。そこに、言語能力を持つ若い女の人間が猿の住む領域に侵入してくることから、本作が始まりまします。

 猿が言語を獲得して、300年が経過して進化しているとふれこみもあったので、期待していたのですが、猿が火を使ったり、乗馬したり、木材で家を建てたり、鷹匠のように鷹を使ったりしてはいましたが、人間の石器時代のような光景で少し残念でした。猿が言語を手入れて進化したというよりは、人間に近づいたという構図になっており、猿の顔をした人間の原始人といった印象です。もっと猿ならではの進化や小道具があっても良かったと思います。猿が地べたに竪穴式住居のような家屋で定住していましたが、木の上に家を建てるなど猿ならでは工夫があっても良いと思いました。

 主人公の猿はチンパンジーなんですが、猿だからしょうがないのかもしれませんが、他の猿との区別がつなく、モブキャラっぽく、印象に残らないです。敵側のゴリラのボスは目立つので、このくらいは脚色してもよかったかもしれません。

 20世紀フォックスがディスニーに買収されて、映画のディテールが弱くなった気がするのですが、気のせいだと願いたいです。ただ、猿の身体能力を活かしたアクションシーンはなかなか迫力があり、本作の監督が「ゼルダの伝説」の監督をするようなので、期待したいと思います。「ゼルダの伝説」がメガヒットすることを願っております。

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この記事を書いた人

【ブログは週末更新、水曜日不定期更新を予定しています。】都心の1Kの賃貸マンションに一人暮らしの会社員の40代男性。仕事の傍らに、都会のコンパクトな生活空間を最大限に活用する方法を日々模索中。ガジェットや家電、スマホから生活のちょっとした工夫や趣味の映画鑑賞と読書について発信しています。

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